学級活動部

今年度の研究

部長 髙橋 美衣(中央区立月島第二小学校)

研究主題「よりよい人間関係や生活をつくり、自己のよさを生かす学級活動」

1 主題設定の理由

 新学習指導要領には、学級活動は、「学級生活の充実と向上を目指し、他者と協力したり、個人として努力したりしながら、自主的・実践的に取り組むことにより、活動することの楽しさや成就感・達成感を得たり、自己有用感を高めることにつながるものである。」とある。今年度より全教科で全面実施となった新学習指導要領の改訂では、特別活動がこれまで教育課程上果たしてきた役割を踏まえて、「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」の3つを視点としつつ、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の3点の柱に沿って、資質・能力が整理されている。

 本研究会の主題である「よりよい人間関係や生活をつくり、自己のよさを生かす特別活動」を受け、学級活動部では、「自己のよさを生かす」とは、自分の興味のあることや自信のあることが分かること、自分の興味があることや自信のあることを行い、友達や学級に貢献すること、また、自分の思いや願いを叶えられること、学級の中に自分の居場所や役割があることと捉えた。

 学級活動においては、学級という集団の中で、様々な問題を自分たちで見付け、解決方法について話し合い、合意形成を図る。そして、合意形成したことをもとに実践し、解決につなげていく中で、自他のよさや可能性を広げたり、活動することへの達成感や充実感を得たり、自己有用感を感じたりすることができる。

 そして、その経験の積み重ねが生涯にわたって、集団や社会の一員として、また社会の形成者として、たくましく生き抜く資質や能力へとつながる。

 主題を設定して1年目となる今年度は、学級活動における「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」を捉え直し、本時の活動(解決方法の話合い・解決方法の決定)における児童の言動を具体的に価値付けていくとともに、また、評価規準を見直し、指導の充実や指導と評価の一体化を図っていく。

2 目指す児童像

・自分たちが決めた「学級の目標」の実現に向けて、学級の一員として、自分のよさや役割を自覚し行動する子(人間関係形成)

・理由を明確にして考えを伝えたり、自分と異なる意見も受け入れたりしながら合意形成を図り実践する子(社会参画)

・よりよい学級生活づくりに向けて、すすんで自らのよさを生かそうとし、友達と協力し合いながら、活動を進めようとする子(自己実現)

3 研究仮説

 みんなとともに生きていく力・よりよい集団をつくろうとする力・なりたい自分に向けてがんばる力を育てる指導を工夫すれば、「よりよい人間関係や生活をつくり、自己のよさを生かす学級活動になるだろう。

4 研究の視点

視点1「みんなとともに生きていく力を育てる指導の工夫」(人間関係形成)

視点2「よりよい集団をつくろうとする力を育てる指導の工夫」(社会参画)

視点3「なりたい自分に向けてがんばる力を育てる指導の工夫」(自己実現)

5 研究の手だて

(1) 学級の全員が納得する合意形成の工夫

(2) 「学級の目標」の可視化と実践への工夫

(3) 活動のよさを認め、価値付ける終末の助言の工夫

(4) 個々の活動を価値付けたカード作成と可視化の工夫

(5) 「振り返り」の時間や、振り返りカードの工夫

(6) 自分や学級全体の成長に気付く振り返りの工夫

(7) 計画委員会を活性化させる指導の工夫

(8) 発達段階による「とらえておきたい『学級会』の観点」などによる実態把握の工夫

(9) 前回の学級会を踏まえた、次回の目標設定の指導の工夫

(10)実践活動において、自分や仲間のよさを実感し、自分を見つめ直す工夫

6 研究構想図

7 3つの視点の有効な手だてとなる資料

 今年度の研究紀要をご覧ください。

8 感染症防止対策の工夫(コロナ禍における実践例)

 今年2月末、新型コロナウィルス感染症拡大予防のために全国一斉に臨時休校が始まった。長い休校期間を経て、新しい出会いを楽しみに迎えた4月。残念ながら、学校は再開することなく、休校期間が延長された。

 学校が6月に再開されても、マスクを着用したり人との距離をとったりするなど、制限されることが多く、新生活様式による学校生活が始まった。感染症予防のために中止することは簡単である。しかし、多くの学級で「できない」ではなく、「できることをやる」という発想のもと学級活動を工夫して実践している。ソーシャル・ディスタンスを保ちながらも、心のディスタンスはより近くなったという学級が多く報告された。

【実践事例1 】(第6学年の事例)

議題「運動会、宿泊行事の代わりとなる何かをしよう」

・運動会、宿泊行事は中止になってしまったけれど、何か代わりになるものをクラスだけでなく学年のみんなで実施し、最後の思い出をつくりたい。

→ソーシャルディスタンスを保ちながら行えるゲームや競技を考え、ミニミニ運動会を実施。応援団を結成し、マスク着用し応援を行った。(競技中もマスクは着用)運動会さながらに盛り上がり、思い出だけでなく自分たちで企画・実施できたことで達成感を味わい成長した姿が見られた。

【実践事例2 】(第2学年の事例)

議題「2ヶ月間の休校期間の心をうめるゲーム大会をしよう」

・クラス替えをして、分散登校が別のグループだった友達は名前も知らないし、同じグループでもどんな子か知らないので、知ることができるゲームをして、もっともっと仲よくなりたい。

→「スリーヒント私は誰でしょうクイズ大会」を行った。席に座ったままできるので、しっかりとソーシャル・ディスタンスが保てるという意見に全員が賛成し実施した。「友達の好きなものが分かった」「好きな遊びが分かったから一緒に遊びたい」など、友達と関わりたいと願う児童が増え、積極的に友達と関わる姿が見られた。

9 研究を振り返って

 今年度は、新型コロナウィルス感染症拡大予防のため、部会や研究授業を行うことができず大変残念であった。しかし、各自の実践を見直す時間を要し、報告し合い、それを学級に持ち帰ることで、コロナ禍でも豊かな学級活動を実践することができた。

 どの学級の学級会でも「やれない」ではなく、「工夫して行う」ことを、常に児童は話し合っている。ウィズコロナの時代の中、「やれない」ではなく、「工夫して行う研究」を今後も実践していきたい。

 また来年度は、多くの部員と共により一層研究を深めていきたい。


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