今年度の研究

研究部長 平松 隆行(板橋区立若木小学校長)

1 研究主題

よりよい人間関係や生活をつくり、自己のよさを生かす特別活動

2 主題設定の背景及び理由

 本研究会では、特別活動において育成を目指す資質・能力における3つの視点である「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」を研究主題に設定して研究に取り組んできた。平成25年度より3年間「人間関係形成」、平成28年度より3年間「社会参画」、そして、令和元年度より「自己実現」を柱に研究を進める予定であったが、令和元年度の研究を通して、「自己実現」の捉え方や特別活動の目標などについての議論を行い、研究主題の再検討が行われた。

 特別活動において育成することを目指す資質・能力は、3つの視点を手がかりとしながら育んでいくことが求められている。また、その3つの視点は切り離せない相互関係にあることから、令和2年度より研究主題を「よりよい人間関係や生活をつくり、自己のよさを生かす特別活動」と修正し、3つの視点を関連させながら、学級活動・児童会活動・クラブ活動・学校行事において研究を深めることとした。

学習指導要領の目標(1)(2)(3)特別活動において育成することを目指す資質・能力

 新型コロナウィルス感染予防のため、令和2年度は研究授業が行えず、研究授業を再開した令和3年度が理論・仮説検証の実質的な1年目となった。各部の研究主題をそろえた上で研究仮説をたて、そのための手立てを3つの視点「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」に関連させ、整理した。

 令和4年度は、4研究部が、研究の考え方や進め方について、共通理解を図りながら足並みを揃えて研究を進めた。育成を目指す資質・能力は同じであるが、それぞれの活動の特質に合わせた手だてを示し、共有できた。

 令和5年度は、この研究主題の最終年度となる。特別活動において育成をめざす資質・能力を育む手だての検証を通して、より汎化した提案を行う。

3 研究構想

特別活動の目標
 集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ、様々な集団活動に自主的、実践的に取り組み、互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して、資質・能力を育成することを目指す。
(1)多様な他者と協働する様々な集団活動の意義や活動を行う上で必要となることについて理解し,行動の仕方を身に付けるようにする。
【知識・技能】①何を理解しているか、何ができるか。
(2)集団や自己の生活,人間関係の課題を見いだし,解決するために話し合い,合意形成を図ったり,意思決定したりすることができるようにする。
【思考・判断・表現力等】②理解していること・できることをどう使うか。
(3)自主的,実践的な集団活動を通して身に付けたことを生かして,集団や社会における生活及び人間関係をよりよく形成するとともに,自己の生き方についての考えを深め,自己実現を図ろうとする態度を養う。
【学びに向かう力 人間性等】③どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか。

特別活動で育成すべき資質・能⼒の3つの視点

○人間関係形成  ○社会参画  ○自己実現

研究主題

よりよい人間関係や生活をつくり、自己のよさを生かす特別活動

各部の研究主題

4 研究計画

令和元年度…仮説に基づく授業実践

・各活動、学校行事における「自己実現」を明確にし、共通理解を図る。

・各活動、学校行事における学習過程(課題解決)を構築する。

令和2年度…理論構築

1年目の研究を踏まえ3つの視点を関連付け育成する資質・能力について共通理解を図る。

令和3年度…理論・仮説の検証(1年目)

令和4年度…理論・仮説の検証(2年目)

理論・仮説の検証のための授業実践ならびに汎用性・再現性の追究

令和5年度…汎用性・再現性のある提案

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