
自ら未来を切り拓く児童を育成する特別活動
氣田 眞由美(練馬区立豊玉小学校長)

東京都小学校特別活動研究会のホームページを御覧いただき、ありがとうございます。
令和7年度東京都小特活会長を拝命いたしました練馬区立豊玉小学校校長 氣田 眞由美と申します。重責ではございますが、微力ながら、皆様のお力を頂戴しながら努めさせていただきたいと存じます。
これまで、脈々と受け継がれてまいりました、本会の歴史、役割と責任を出町会長から受け継ぎ、更に発展させていけるよう精進してまいります。
今年度は、昨年度に続き、研究主題を「自ら未来を切り拓く児童を育成する特別活動」としての2年目の研究となります。1年目の研究を踏まえて、研究仮設・研究の視点・手だての検証のための授業実践を行ってまいります。
現在は、VUCA(volatility【変動性】、Uncertainty【不確実性】、Complexity【複雑性】、Ambiguity【曖昧性】の時代と言われています。「先行きが不透明で将来の予測が困難な状態」を意味していますが、今後はさらにこのVUCAの時代になることが予測されているところです。
このようなVUCAの時代を一人一人が幸せに生き抜き、未来の社会を創造していくためには、様々な問題を解決していくための基本的な知識・技能を身に付けることはもちろんですが、それとともに、身近な社会にある課題を見付け、それを主体的に解決しようとする力や人と知恵を出し合いながら協働して解決していく力が必要であると考えます。
改めて特別活動の目標や目指すべき資質・能力等と強く関係していることを感じます。児童にとって最も身近な学校という社会の中で、「他者と協働する活動」「行動の仕方を身に付ける」「合意形成を図ったり、意思決定したりする」「人間関係をよりよく形成する」「自己実現を図る」などの特別活動における資質・能力には、まさに未来を切り拓き、持続可能な社会の創り手となるための大事な要素が詰まっていると考えます。
昨年度の本総会で、有明教育芸術短期大学 学長の 若林 彰 先生のご講演で「アルファ世代」の貴重なお話をしていただきました。「アルファ世代」とは、現在の中学校3年生までを言うものですが、まさに小学校1~6年生はこれにあたります。この世代は何と言っても「デジタルネイティブ」が特徴で、生まれたときからスマホやタブレット等のデジタル機器に囲まれていて、それが当たり前の存在となっています。
この子どもたちが社会に出る2040年頃はデジタルとの共存は一層加速し、更なる最新技術をどんどん受け入れ生活の一部となって使いこなしていくことが予想されるところです。
我々は、現在の子どもたちを見ることはもちろんですが、未来の社会を見据え、そこで生きる子どもたちのために、今、学校は、何をしていかなければいけないのかを考えていくことが必要だと考えます。
現在、イエナプラン等の海外の教育方法を取り入れている地区や学校もありますが、映画「小学校~それは小さな社会~」や日本の「トッカツ」のように、まずは世界のトップレベルと言われる日本の教育や日本の先生方の力を改めて見直すことが大事なのではないかと考えます。非認知能力を育成する視点においても特別活動の果たす役割は大きいのではないかと考えます。
「不易と流行」とはよく言われますが、特別活動が大事にしてきたもの、それを継承するとともに、次世代を見据え社会の状況や時代に即し、新たなものを取り入れながら、変わっていくこともまた重要であると思います。
特別活動において、それがどのようなことなのか・・・これまでやってきたことを単に繰り返すだけではなく、「目的」を達成するための「最適解」を本会のお一人お一人の知恵を出し合いながら創造していくことができたらと思います。
「今こそ特別活動を!」は、私が担任時代からずっと耳にしていることですが、まさにこの今の時代だからこそ、各研究部の研究を通して、特別活動の担う役割と責任を本会として発信してまいりたいと思います。
どうぞ1年間本会に対するご指導ご助言の程、どうぞよろしくお願いいたします。

